交通事故Q&A
交通事故にあってしまった場合、通院はいつまでできるの?
■事故にあってしまったら…交通事故にあってしまった場合、そのときは、軽いケガで病院に通うほどじゃない…と思っても、数日してから症状があらわれてくることもよくあります。
軽いケガでも、一度は病院で診てもらっておいた方が良いでしょう。
■治療は、納得のいくまで。
交通事故の場合の治療は、通っている病院の医師とよく相談の上、納得のいくまで行うべきです。
相手方の保険会社から、治療の終了を打診されることもありますが、症状がある場合は、保険会社に遠慮することなく、通院をしても構いません。
ケガをしたときの賠償って?
賠償は、①ケガの治療が終了したとき、②ケガの治療を継続しても改善の見込みがないとき(症状固定)を基準に算定されていきます。 ①、②の期間までの
・治療費
・通院にかかった費用(交通費など)
・治療期間に応じた慰謝料
・治療期間に応じた休業損害
などが賠償されます。また②ケガの治療を継続しても改善の見込みがないとき(症状固定)には、後遺障害の判定が行われ、後遺障害に応じた損害もあわせて賠償されます。
慰謝料ってどうやって決まるの?
慰謝料とは、精神的な苦痛に対する賠償金で、入院や通院などに要した日数などに応じて支払われます。慰謝料の算定については、いくつか基準がありますが、ここでは、財団法人日弁連交通事故相談センター編集「交通事故損害額算定基準」を掲載しています。
※この基準は、あくまで基準であって、個別の事案についての具体的な賠償額は、ケガの状態などによって異なります。
保険会社は、独自の基準で賠償の提案をしてくることがありますが、以下の基準額に照らし、大きく賠償額が異なる場合は、ご相談ください。
■入院のみの場合 単位:万円
入院期間 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 |
慰謝料 | 60~32 | 117~63 | 171~92 | 214~115 |
■通院のみの場合 単位:万円
通院期間 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 |
慰謝料 | 29~16 | 57~31 | 84~46 | 105~57 |
■入院の後通院をした場合 単位:万円
入院期間1ヶ月 | 入院期間2ヶ月 | 入院期間3ヶ月 | 入院期間4ヶ月 | |
通院期間1ヶ月 | 88~47 | 144~78 | 192~103 | 232~125 |
通院期間2ヶ月 | 115~62 | 165~89 | 210~113 | 248~134 |
通院期間3ヶ月 | 136~73 | 183~99 | 226~122 | 262~142 |
通院期間4ヶ月 | 154~83 | 199~108 | 240~130 | 274~148 |
例)入院1ヶ月した後、通院を3ヶ月した場合は、「73万円~136万円」となります。
休業損害(給料・所得の補償)って?
入院や通院をしていて、その間お仕事ができなかった場合に、それを補償するものです。■サラリーマンの方であれば、前年度の収入を基準に算出します。
■自営業者の方であれば、確定申告の際の所得額を基準に算出します。
■家事手伝いの方であっても、家事を金銭的に評価することで賠償の対象となります。
車の修理費について、どこまで賠償してもらえるの?
事故によって発生する損害のうち、どのようなものが賠償してもらえるか、いくつかまとめてみました。■修理費について
修理が可能である場合は、「修理にかかる適正な費用」が損害として賠償してもらえることになります。
※修理代はどこまで?
修理が可能であるとしても、修理費用が車両の価値を超えるような場合は、修理費用「全額」が認められるわけではありません。修理費を請求するにしても、「車両自体の現在の価格」までです。
例えば、車両価格30万円の自動車の修理に100万円かかってしまうような場合を考えてみましょう。
このような場合、修理費用を請求できるとすれば、30万円を限度に認められる、ということになります。
※塗装の費用はどこまで認められるでしょうか…?
修理箇所以外の部分について、色合いがおかしくなるので、車全体の塗装をする費用(全塗装)を請求したいとして争いとなることがありますが、一般的には、全塗装にかかる費用を請求することは難しいとされています。
■代車費用について
事故の修理などで自動車を使えない期間、代車をレンタカーなどで利用していた場合の代金のことです。
代車費用が認められる期間は、修理費に必要な範囲です。不相当に長期間のレンタカー代などは、賠償金として認められない可能性もあります。
■買い替えの際にかかる諸費用について
車両の買い替えにかかる諸費用が認められる場合とは、修理自体が不可能であるか、修理は一応可能であるが不相当に高額な費用が掛かってしまう場合などです。
この場合は、事故にあった車の車両の価格のほかに、買い替えの際にかかる以下の諸費用も賠償されます。
・自動車取得税
・取得に必要な費用(検査・登録費用、車庫証明費用など)
■評価落ちについて
事故によって、修理はできたものの、事故車扱いとなって価値が下がってしまった場合、その価値が下がってしまった分は賠償してもらえるかどうかです。
これは、必ず賠償してもらえるというものではありません。
自動車の初年度登録からの登録期間(車が新しいものかどうか)、走行距離、車種などによっては、認められる場合があります。
過失割合について、教えてください。
自動車事故の場合、当事者のうち、一方だけが100%悪いということは、あまりありません。当事者の不注意の程度に応じて、賠償金をどの程度負担するか調整を行うことを、
「過失割合」といいます。
※具体例)
この写真のようなケースはどうでしょうか?
信号のない交差点。黄色い車は、直進。白い車は右折しようとして、交差点の中でぶつかってしまいました。
修理にかかる費用として、仮に黄色い車には60万円、白い車には40万円かかったとします。
■基本的な過失の割合
基本的には白い車の方が責任が重く、過失の割合は 白8:黄2 となります。
黄色い車の所有者が白い車の所有者に修理代金として請求できるのは、48万円(60万円の8割)。
逆に白い車の修理代金として黄色い車の所有者に請求できるのは、8万円(40万円の2割)になります。
※お互いの修理代金を相殺して清算をする場合は、白い車の運転者が黄色い車の所有者に40万円(48万円-8万円)を支払って清算することになります。
■過失割合の修正
ただし、事故の状況に応じて、この過失割合も変わってきます。
例えば、
黄色い車が、15キロ以上速度違反をしていたような場合、黄色い車の過失の割合が増え、白7:黄3 となります。
黄色い車の修理代金として請求できるのは、42万円、
白い車の修理代金として請求できるのは、12万円となります。
※お互いの修理代金を相殺して清算をする場合は、白い車の運転者が、黄色い車の所有者に30万円を支払って清算することになります。
具体的な過失割合については、事故の具体的な状況をお聞きする必要があります。
お気軽にご相談ください。
いわゆる、弁護士特約を上手に利用してみませんか?
停車中に後ろから追突されたケースなど、こちらの何も落ち度のない、いわゆる、もらい事故の場合は、自分の加入している保険会社が示談交渉などを行ってくれず、自分で相手方と交渉をしなければならないこともあります。自分ではうまく示談交渉ができない…誰かに示談交渉を任せたい…
そのようなとき、弁護士や司法書士に依頼して、代理人として交渉をしてもらうという方法があります。
自分の加入している保険に「弁護士特約」がついていれば、弁護士、司法書士に依頼してかかった費用・訴訟にかかった費用に対して、保険金(多くの保険会社では上限300万円まで)が支払われます。
この特約は、多くの場合、利用以降の保険料が上がることなく利用することができますので、ご自身のご負担がなく、専門家に依頼することができます。
ぜひ、ご活用ください。
証拠を準備しよう
物損事故であったとしても、交渉・裁判をする際は、様々な証拠を集める必要があります。証拠 | 得意先 | 備考 |
交通事故証明書 | 自動車安全運転センター 福岡では以下のとおりです。 福岡市博多区東公園7-7(福岡県警察本部内) 092-641-6364 |
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実況見分調書 | 送致先の検察庁 | 物損事故のみの場合は、通常、実況見分が行われません。 |
写真 | 損傷個所のみならず、他の部分についても撮っておいた方がよいでしょう。 また事故現場のスリップ痕なども重要な証拠となる可能性があります。 |